2010年 02月 28日
サヨナライツカ

屋久島には映画館が無いので、いつもは見たい映画があると鹿児島までゆくのだが、今回は鹿児島まで出たついでに映画を見ることになったので、何を見ようか迷った末にこの映画を選んだ。原作を書いた「辻仁成」氏のファンであることが理由だが、中山美穂さん12年ぶりの主演というのにも興味があった。もともとこの映画は、中山美穂主演で2002年に一度制作発表されたのだが、何かの理由があってポシャッている。それがようやく形になったので、そういう意味で興味もあったのだ。
感想は皆まで書かないが、「冷静と情熱の間」の焼き直しの感は否めない。ストーリーの前半、アンバー系のハーフフィルターを掛けて撮ったバンコクの映像はキレイだし、ホテルの映像もゴージャス。見ごたえを感じたが、後半部が厭きさせた。「長いな」と思って何度も時計を見てしまうくらい。映像はキレイなんだけど、プロットがあまりにも単純で、焼き直し感が強かった。また中山美穂扮する真中沓子と西島秀俊扮する東垣内豊が出会って惹かれあってゆくその過程があまりにも唐突で、見ているこちらが感情移入できないままストーリーが展開して行ったのが残念。この出会いから何故惹かれて行ったのか?あるいはこの恋がなぜ一生に一度の恋になったのか?という部分をもう少し丁寧に描いてほしかった。原作は読んでいないので、「原作にはその辺が描かれているのかな?」とおもいつつ、多分原作は読まないだろうと思う。
「愛をください」もそうだったが、辻さんは彼のプライベートを赤裸々にプロットに組み込む傾向がある。そういう意味で辻ファンにとって興味を惹かれる映画であったが、背景を知らない観客がどう見たのか?疑問が残る。
細々書いてしまったが、この映画、あまり満足しなかった。証拠に、いつも映画を見るとパンフレットを買うのだが、今回はそれを買うことも無かった。「あぁ失敗したなぁ」という気持ちが少しある。「こんなことならオーシャンズを見ておくべきだった」と。なぜそこまで書くのかと言えば、屋久島に暮らしていると、映画鑑賞は一大イベントなのですよ。鹿児島滞在中の貴重な2時間あまりを有意義に使えたかどうか?は僕の中で大きな問題なのです(笑
▲ by se-ji0038 | 2010-02-28 23:50 | 日々