人気ブログランキング | 話題のタグを見る

本をつくるということ

 春に出版する写真集の原稿がようやく揃って、印刷会社へ入稿するのを京都の出版社まで出向いて見届けてきました。この仕事はいよいよ僕の手を離れて次の工程にすすみます。

 いままで広告や雑誌のお仕事は何度かしてきたものの、自分自身の著作をつくるのはこれが初めてのこと。経験の無い中で色々な試行錯誤もありました。そんな中で気づいたこと。

 今回の本は「大沢成二の写真集」なので、大沢成二の著作なのですが、それは大沢成二だけの本ではないということです。一冊の本を作るためには、そこにたくさんの人が係わっていきます。自分の本はまさに自分の子供のような存在で、思い入れも強いのですが、出版社にとってもそれは同じことで、「その両者の間のバランスをどうとって一冊に仕上げてゆくのか?」ということを、今回は編集作業の中で学びました。

 100%自分の思い通りの本を作りたいのなら、自費出版という手段があり、それを選択すれば良いのです。しかしその方法では本が一般の流通に乗ることはありません(例外はあるようですが)。僕は自己満足のために本を作るのではなく、自分が見て撮った屋久島の素晴らしい風景を、本という手段でたくさんの人に届けたいのです。

 そのためには書籍流通に販路を持っている出版社から本を出す必要があります。それは出版社というフィルターを通すことでもあるのだと、今回気づきました。つまり、それはその原稿が(その出版社からみてですが、)本という形で世の中に必要とされているか?ということです。

 出版社が世の中の流通に乗せるに足ると判断した原稿だけが、本という形になって世の中に出てゆくのです。それはつまり、独りよがりではダメだということです。

 幸いにして僕の屋久島はその出版社のフィルターをくぐり抜け、本という形で世の中へ生まれ出ようとしています。自分が信じて撮り続けて来た方向が間違いでなかったのだと認めてもらったようで、安心しています。あとは実際に本が世の中に流通したときに、どのような評価が下るのか?楽しみの気持ちがほとんどですが、ちょっぴり不安な気持ちもあります。

-------------

別件。

 今回の西行では出版社以外に別件もあり、神戸まで足を伸ばしました(というか、もともとはこちらがメインだったのだが)。現地でポッカリと時間があいたので、いつもブログにコメントをくださるカノンさんにイキナリ電話をしてお会いして貰いました(イキナリの電話で失礼しました→カノンさん)。

 僕はここ何年来か目標にしてきた写真集の編集作業がひと段落して、次の展開へ向かうヒントを探していたところだったので、短い時間でしたがカノンさんとの出会いからとても良いシゲキを受けました。ホントに良いタイミングで、流れを感じます。

 こういう良い流れは屋久島へ移住する前後にもあったのですが、また良い流れが来ています。この流れを捉えてゆこうと思っています。

 そのためには実践が必要です。折角の出会いを無駄にしないためにも実践してゆきます。それにはまずノートと鉛筆を用意しよう。なぜがパソコンに打ち付けるのではダメなそうなので。

 ノートと鉛筆を用意しました。準備OKです。

by se-ji0038 | 2011-02-03 06:13 | 日々

<< 高齢化という社会の飽和    名神を走っています。 >>