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 お世話になっている方のお嬢さんが生まれたての新生児を連れて屋久島へ里帰りしている。機会があればその子に逢いにゆきたいと話していたのだが、ちょうど妻の仕事が休みだったので、二人で連れ立って逢いに行ってきた。

 ご自宅の居間に寝かされていたその子を最初に見たとき、我々は思わず「ちいさい!」と同時に声を漏らした。座布団くらいの大きさの布団の上にそのままスッポリとおさまってスヤスヤ寝ているその子は、それが本当に人間とは思えないくらい小さかったのだ。生後約二週間。体重は現在3000g程度だという。しかし驚くことに髪は黒々と生え、手指には金魚の鱗のように小さな爪がきれいに生えそろっている。軽く握ったこぶしは覚束なくみえるが間違いなく人間のそれだ。産着の下から少しだけのぞいた薄膜のような柔らかそうな肌が、呼吸の度、静かな波打ちを繰り返している。頼りなく、危うげに見えるその命は間違いなく生の営みを刻んでいた。

 すごい、ほんとうにすごい。命の凄さを実感した。いまこのタイミングで巡ってきたこの得がたい体験は、あるメッセージだと僕は思っている。

by se-ji0038 | 2009-11-06 23:41 | 日々

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