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サシバの渡り

サシバの渡り_b0178335_6181486.jpg サシバが秋に南下してゆく時期になった。屋久島は渡りの中継地点になっている。この時期に南部へ行くとサシバより確実に会える二人、山口さん江田さん(屋久島タカの渡り研究会)に今年も会うことが出来た。

 移住した2007年にサシバの渡りのことを知って撮影しようと南部へ行くと、大きな三脚にスポッティングスコープをとりつけ、首から双眼鏡をぶらさげて空を見上げる山口さんと出会った。話を聞くと江田さんと二人でこの時期に屋久島へサシバの渡りを調査に来ているのだという。僕もそこにカメラを据えて一緒に空を見上げた。すると空を埋め尽くすように飛来した無数のサシバがゆらゆらと鷹柱を作ってモッチョムのあたりを上昇してゆき、高度を上げきると一羽また一羽と滑るようにトカラ列島の方向へ滑空してゆくのが見えた。その様は壮観だった。

 昨年は別の撮影で忙しかったので、サシバを見に行かなかったが今年は久々に南部へ通ってみた。するとやはり今年も二人が来ていたという訳だ。今年の調査日程は7日からのはずだったのだが、台風の影響があり鹿児島で足止めを食い、8日からスタートした。調査の速報が「タカの渡り全国ネットワーク」のホームページに掲載されている。今年はこの時期思ったより飛ばなかった。江田さんによると「秋が早かったので9月末にある程度の数が飛んでしまったのか?あるいは屋久島を経由せずに海上を一斉に南下している可能性がある」とのことだった。残念だが、2007年のような壮観な渡りを今年は見ることが出来なかった。しかし、これも江田さんによると「あんな凄い数を見られるのは、それこそ10年に1度くらいのこと」なのらしい。本当にラッキーだったのだ。

 二人とも首都圏からこの時期サシバを見に屋久島へ通っている。もちろん手弁当で。江田さんは既に10年、山口さんは8年になるという。その間本当に調査だけなので「10年も通って縄文杉はおろか、ほかの著名な観光スポットへ足を踏み入れたことは無い」そうだ。今年の調査も10日で終了して二人はそのまま屋久島を離れる。

 「来年もここで会えますか?」と聞くと「たぶん」と言って二人とも微笑んだ。お二人を紹介しようと思ってそこで写真を一枚撮らせて貰った。

by se-ji0038 | 2009-10-11 06:39 | 日々

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