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島の食

島の食_b0178335_10342517.jpg 撮影から戻ると、テーブルの上にスポンジケーキがあった。僕の留守中に妻が焼いたもの。スポンジの中に紅茶の葉が混ぜ込んである。

 こんな風に、妻は時々自宅で菓子を焼いてくれる。神戸出身の彼女は、パンと洋菓子に目がない。しかし、屋久島だと、この分野においても、入手可能な選択肢は限られる。結果、選択肢を広げようと思ったら、自分で作る以外にないのだ。

 パンについても、昨年の暮れからパン焼き器を使って、自宅で焼いている。最初はオーソドックスなミルクパンだけだったが、最近は全粒粉を使った胡桃とレーズンのパンとか、ライ麦パンといったバリエーションが増えた。パン以外にも、ピザ生地をつくって焼いたり、手打ちパスタをしたりと、自宅であれこれ作って食べる機会が、島に来てから確実に増えた。

 手に入らないということは、まんざら悪いことでもない。無ければ工夫するのが人間だ。売ってなければ作ればいいのだ。そして、何でも自分でやってみると分かることがある。もともと僕は食べることにまったく興味の無い人間だったが、自分でも少しづつ料理をするようになって、食べるということに、関心を持つようになった。

 食に興味が向くと、人生が豊かになってゆく気がする。そうなったら、きっと撮れる写真も変わってくるだろう。そういえば、写真家の三好和義氏が情熱大陸に出演された時、自ら築地まで仕入れに行って、包丁を使う場面が出てきた。表現者にとって、食はとても大切だということを話されていた。

 妻のスポンジケーキを眺めながら、そんなことを考えていた。折角なので、光を選んで一カット撮影してから味わった。

by se-ji0038 | 2009-06-08 11:09 |

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