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トレイルランナー

b0178335_14164672.jpg 先日の山行でのことを思い出して書いています。

 26日の朝、前日高塚小屋で同宿になったNさんと縄文杉デッキへゆき写真を撮っていた。日の出からおおよそ2時間経過した位だったから、たぶん午前9時前後だったと思う、一人の登山者がそこまで登って来た。

 「随分早い到着だな。一体何時スタートだったのだろう?」と僕は少々訝りながら、デッキの階段を上ってきたその登山者に心の中の質問をぶつけてみた。彼は「明るくなるのを待ってスタートした」という。ということは、ここまで2時間ほどで到着したことになる。通常であれば4時間から5時間は掛かるコースをである。彼はほとんどここまで走ってやって来たのだ。しかも雪道を。

 ザックを下ろし、行動食を口に運びながらにこやかに話す彼に質問をしながら、僕はどこかで聞いた「トレイルランニング」という単語を思い出していた。僕がその単語を口に出すと彼は「そう、最近はやっているみたいですね」と、笑顔で答えた。

 「限られた時間の中でより沢山の風景を楽しみたいと思ったとき、この方法へ行き着いたのです。最初はそんなことできるのか?と思ったのですが、要は馴れです。馴れてしまえば出来てしまうものです。」と彼は言う。しかしそれでも僕には信じられなかった。ちなみに彼が背負っているザックを持たせて貰ったのだが、優に10kgはあった。10kgのザックを背負って雪の登山道をここまで2時間で走破する。。。。

 彼は縄文杉デッキから上、更に雪が深くなることを見越し、そこからはスノーシューを装着し、駆けて行ってしまった。雪が深く、稜線はあきらめたらしいが、新高塚小屋まで、これまた1時間足らずで往復して帰ってきた。

 北海道の山へもこの方法で行った。海外の山へもチャレンジした。しかし、トレイルランニングの競技会などに興味は無く、あくまで風景を楽しむ手段としてこの方法を選択しているのだという。だから、トレイニングの為にトラック走を試してみたが、風景の変化しない場所を走るのは苦痛以外の何者でもなく止めてしまったそうだ。

 人間というのは面白いと思う。「目的」が明確ならば困難な「手段」を選択してもそれを「馴れ」という言葉で片付けてしまえる。彼の場合は「少ない時間でより多くの風景を楽しみたい」が目的で、そのために選択したのが「トレイルランニング」だったのだ。

 「目的」のシッカリした人との会話は楽しい。彼は終始笑顔で話し、僕にたくさんのプラスエネルギーを残して、そこから下山して行った。Fさん、とても参考になるお話、ありがとうございました。
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by se-ji0038 | 2009-01-26 14:16 | 日々