岩合光昭氏講演会

b0178335_2353490.jpg 長野県写真連盟創立60周年を記念して、岩合光昭氏の講演会が松本市のホテルブエナビスタであった。氏はあまり講演会をしないということで、よい機会なので聞きに行ってきた。

 幾つか印象に残ることを話されていたが、備忘録の意味でメモしておく。

 野生動物が餌を食べるという表現はおかしいと話されていた。具体的にはTV番組の中で「ライオンが餌を食べている」という表現はおかしいのでやめるようにNHKのディレクターに助言したという。野生動物は家畜ではないので、餌は食べない。「ライオンがシマウマを食べている」という表現に改めるべきだと語っていた。

 講演の最中、最近何度か屋久島へ撮影に行ったという話が出てきたので、屋久島へどんなテーマを持って撮影に行っているのか質問してみた。ヤクザルとヤクシカの関係についてあるテーマでミッションを持って撮影をしに行ったらしい。撮影は成功し、近い将来その映像は発表されるようだ。またその話の流れで、ヤクザル達のグルーミングを撮影しながら、指先に掴み取ったシラミを顔から離して眺めるヤクザルがいることに気がついたという。その固体は年をとったサルで、きっと老眼なのだろうと話されていた。老眼のサルがいるということを僕は知らなかったので、そういう目でヤクザルを観察したことは無かったが、今度機会があったらじっくり観察してみようと思った。

 ニホンザルがヤマザクラを食べるシーンを撮影しながら、彼らの食べているヤマザクラを自分でも食べてみたという。詳しい数字を失念したが、ヤマザクラは確か5~6部咲きの頃が一番蜜を持っており、満開になるとその甘みが減ってしまうという。だからニホンザルは満開の花は素通りして蜜を一番持っている山桜を食べるのだそうだ。動物は食べ物の旬を知っているという。そこで、僕はもう一つ、岩合先生自身がご存知の美味しい食べ物を訪ねてみた。イタリアのシチリア島で食べた生うにのパスタ。やはりイタリアで食べたレモンのジェラートというメニューが挙がった。対して中華料理をグルタミンソーダの塊だと酷く否定していた。食べ物は素材の味を楽しむのが一番だという意味だと理解している。

 ところで、僕も小杉谷でソメイヨシノを食べるヤクザルを何度か撮影している。しかしそのシーンでサルたちは満開の花を一生懸命食べていた。ヤマザクラとソメイヨシノで違いがあるのかもしれないが、僕にはサルたちの食べている花を味わってみようという発想が無かったので、今度ぜひトライしてみようと思う。

 氏の講演会を聞いて感じたことは、氏が動物の目線で動物を良く観察して写真を撮っているということだ。自然動物写真家は、同時に偉大なナチュラリストでもあるということだ。色々参考になる話を聞けた。
[PR]

by se-ji0038 | 2010-11-23 23:59 | 長野県の日々

<< 家紋    生み出す >>