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来たり人

来たり人_b0178335_6321569.jpg 「来たり人」 屋久島では移住者のことをこう呼ぶらしい。ある生粋の島人との会話の中で聞き取れない単語があって、聞き返したときに知った。

 「島人(しまびと)」とは文字どおり島に住んでいる人。移住者も島に住めば「島人」なのだが、生粋の島人にとって移住者はあくまで「来たり人」であり、「島人」の対として「来たり人」が使われているような感じを受けた。

 そこには、日本人が外国人に対して使う「外人」という呼称から彼らが受けるある種の疎外感のようなものを同じように僕は感じ取ったのだが、それはただの僻目だったのだろうか?

 ただし、これは屋久島に限ったことではなく、僕の故郷長野県の安曇野地方も移住者の多い土地で、逆の立場で似たような話を聞いたことがある。おそらく日本全国、あるいは世界的に見ても、どこの地方にもある現象なのだろうと思う。事実は事実として、「それをどう受け止めるのか?」はその人の資質に負うところが大きい。

 そんなことをぼんやり考えているときに、嬉しい話を聞いた。屋久島に移住したある表現者と地元の特産品とのコラボレーション企画だ。来たり人が島に新しい風を吹き込み、それが島人と協同して化学反応を起こし、新しい文化や価値を生み出す。そうして島の経済活動にも貢献してゆく。こういう姿がひとつの理想だと思う。

 僕も島に住み、写真という手段で表現をしているのだが、それが地元との協同になるように何かできないのか?あるいは何ができるのか?それをアタマの片隅において、いつもアンテナを張り巡らせていたいとおもいました。

 

by se-ji0038 | 2010-09-03 23:59 | 日々

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