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淀川登山口閉鎖について

淀川登山口閉鎖について_b0178335_6142583.jpg 淀川登山口が12日から閉鎖される。このことについて「大変残念であるが、ある程度仕方ない」というのが僕の意見です。

 今回の処置について「先月山岳部で発生した遭難事故が影響している」と僕は考えています。その根拠は二つ。遭難事故以後、黒味分かれに赤のスプレーで矢印が書き加えられたこと、花之江河の分岐、湯泊・栗生歩道の入り口に赤い細引きが張られ足元に注意書きが2枚掲示されたことです。

 黒味分かれの矢印については、荒川側からの縦走登山者がこの分岐で道を間違え、そのまま黒味岳に登ってしまうという事例が後を断たないことに対する対症療法的な処置と思います。また花之江河の分岐についても同様で、淀川登山口側へ左折することなく、そのまま直進して湯泊・栗生歩道へ迷い込むことに対する処置と思います。
 
 先月の遭難事故は最終目撃が投石という情報があり、大方は花之江河分岐で、湯泊・栗生歩道への迷い込みを疑っているようです。そして未だ発見に至っていません。実際に事故が起きている以上、対症療法的であっても、いまできることをしている、というのが現状なのだと思います。

 しかし、「黒味分かれの分岐で道を間違え、そのまま黒味岳まで登ってしまう登山者がいる、それも後を絶たない」という話は大変ショックでした。登山というのは基本自己の責任に於いて行うものです。事前にコースの下調べをして、行動中は地図に照らして自らの位置を確認しながら前に進むのが普通です。まして屋久島山岳部のメインコースは、僕に言わせれば過剰に整備されているくらいです。そこで迷って黒味岳まで登ってしまうというのは信じられないことです。

 しかし、それが現実なのです。そういう登山者が相当数山に入っているという現実がある。そして事故が起これば行政が管理責任を問われます。

 いま屋久島に着任している環境省の自然保護官がある席でこんなことを言っていました。「みなさんは過剰に整備された屋久島の山を歩きたいのか?それとも原生の自然が残った屋久島の山を歩きたいのか?どちらなのでしょう?(言葉は不正確ですが、だいたいこんな趣旨のことです)」と。彼らも本音は過剰な対応を避けたいはずです。しかし従来からの山の常識が通用しない現実が目の前にある。その結果の悪循環だと思います。

 自分も含め、登山者一人ひとりが色々なことを考え直す時期に来ているのかもしれません。淀川鉄橋の基部が流されたことは、屋久島が我々一人ひとりにその機会を与えようとしているのだと僕は考えています。簡単に答えは出ないかもしれませんが、今後、屋久島の山とどう向き合ってゆくのか?僕自身良く考えてみようと思っています。 

by se-ji0038 | 2010-06-11 23:59 | 日々

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