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マイクロフオーサーズ

マイクロフオーサーズ_b0178335_5293164.jpg 現在マイクロフォーサーズ規格のカメラを出しているのはOLYMPUSとPanasonicの2社。そもそもフォーサーズ規格というのはレンズのマウントに互換性を持たせるというところからスタートしたのだが、実際フタを開けてみたら、各々のメーカーで技術に対する考え方が違い、それぞれ特徴のあるレンズが出ている。その一番の違いが手振れ補正だ。

 OLYMPUSはボディー内を採用しており、Panasonicはレンズ内を採用している。僕は従来、手振れ補正はレンズ内で、という考え方だった。DSLRはレンズを通った光がミラーを経てファインダーに結像する構造になっている。レンズ内で手振れ補正をしてくれると、撮影者が見ているファインダー像そのものが安定する。ボディー内だとそうはいかない。目で見たファインダー像は揺れたままだ。これは特に望遠域では顕著に違いが出る。フレーミングを決める、被写体を追う、というときに手振れ補正があることはとてもありがたい。だから手振れ補正はレンズ内で、と考えていた。

 しかし、マイクロフォーサーズでは事情が違ってきた。マイクロフォーサーズのキーワードは小型化だ。だから規格設定の段階でフランジバックを従来の50%に縮めた。するとレンズとセンサーの間にミラーボックスの入る余地がなくなり、ファインダーはEVFという方式へ変化して行った。EVFならボディー内のセンサーで手振れ補正処理した画像がそのままファインダーに映し出される。

 こうなると、レンズ内手振れ補正よりボディー内手振れ補正にアドバンテージがある。レンズ側に補正機構を持たせる必要が無いので、レンズそのものを小型化できるのだ。

 OLYMPUSとPanasonicの標準ズームの画像を比較で載せたが、大きさが随分違う。OLYMPUSは沈胴式機構(これはライカの沈胴鏡に似たようは機構で、使用時にレンズを回転させて全長を伸ばすようになっています)を採用しているので、収納時には圧倒的にコンパクトだ。これもレンズ側に手振れ補正の機能を持たせる必要が無いから実現できたのだろう。

 マイクロフォーサーズ=小型化というキーワードだとするならば、手振れ補正をボディー内にしたOLYMPUSに優位性がある。実機を見たがGF1はボディーこそ小型だったが、やはり標準ズームをつけると大きい、という感想を持った。一方、標準ズームをつけたE-P1はそれほど大きいと感じなかった。やはりレンズ部の出っ張りというのが印象に大きく関係しているのだと思う。

 一方、GF1とE-P1のボディーサイズの違いを見て、やはりボディー内で手振れ補正をやるにはE-P1程度の大きさが必要なのだろう、と思っていたのだが、E-PL1の出現で、それが杞憂だと分かった。あの大きさでも手振れ補正機構はボディー内に収まるのだ。

 マイクロフォーサーズという新規格で、折角ミラーレス、EVF、小型1眼という方向のマーケットを創出したのだから、Panasonicには従来の技術に拘泥することなく、ボディー内手振れ補正をやって欲しかったと思う。そういう意味でもし僕が買うとしたら、やはりE-PL1になります。

by se-ji0038 | 2010-02-08 23:26 | カメラ

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